伊豆半島を南北に貫いて流れる狩野川は、昔から天然のアユが豊富な川として、全国にその名を知られています。そして、その恵まれた環境の中で腕を磨いてきた狩野川の漁師たちは、アユ釣りだけで家族を養うほどの腕前を誇った時代があり、全国から弟子入りする人が絶えませんでした。
そして近年、アユ釣りのトーナメントが流行すると、今度は狩野川の釣り人たちはあらゆる試合でその強さを見せつけ、またしても全国にその名をとどろかせました。まさに狩野川は「日本一のアユ河川」の名を、時代をまたいで欲しいままにしてきたのです。
本書は、そんな狩野川のほとりに生まれ育ち、自らもアユの名人として名を馳せた著者が、その自然、歴史、人、アユについて語った1冊です。これまで狩野川をホームグラウンドとしてきた大勢の釣り人たちも、この本を開くことで、未知なる川の魅力に出会うことでしょう。
著者:植田正光
四六判上製