山小屋の管理人、小屋番、主人。それは山好きならば一度はやってみたい憧れの仕事。「山の仕事、山の暮らし」「希望の里暮らし」等の名著で知られる著者は、ひょんなことから昨夏、山小屋の管理人になった―。
しかし、著者のメインフィールドは同じ山でも、沢登り。夜は渓の畔にタープを張って過ごし、自由を制限される山小屋には普段近づかない。そんな著者が小屋番を務めるというのだから、これは一体どうなるのか?飯豊連峰の門内小屋を舞台に、管理人になるまでのいきさつと、小屋に上がってからの悲喜こもごもが、飯豊の小屋番日記としてユーモアたっぷりに、ときにシニカルに、またときには内省的に綴られていく。
小屋番として山で一夏を過ごすことで、人は何を見、何を感じ、そして何を想うのだろうか。世知辛い現代社会に涼風を呼ぶ一冊!
四六判並製256ページ
高桑信一・著