本書は、失われつつある「秘境のかけら」を求めて北東北の山里を旅する著者が、自然や人との出会いをモチーフに描き出すフィクション&ノンフィクション入り混じった独特の短編集です。
四六判上製/240ページ
村田久著
目次:帰郷、廃校、山桜、鬼あざみ、夏の日、マイマイガ、安家川行、蛇になったイワナ、雷雨、化石の谷、拾った羽、ひかりっこ、じゅうねもち、芽吹きイワナ、夏独り、産女川、カワウ、祖父さんの夏休み、秋の分け前、あの谷のむこうに。
著者プロフィール:著者(岩手県一関市在住)は長年にわたって釣り・自然をテーマにした文章を発表してきたが、2002年春に会社を晴れて定年退職、同時に専業作家としてアラ還デビュー(!)を果たす。本書は好評を博した前作「山を上るイワナ」につづく作品。フライフィッシング専門誌「FlyFisher」(フライフィッシャー)誌上での連載をもとに、北東北の山里の自然・釣り・不思議なヒト・コトとの出会いが綴られていく。日常のふとしたことから、すらりと非日常的空間に引きずりこまれる魅力的な二十編を収載。2008年大災害となった岩手・宮城内陸地震に触れた「鬼あざみ」、未完の旅に限りない希望を感じさせてくれる書下ろし「あの谷のむこうに」など。